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腸活は、健康のためにするもの
「腸活」と聞くと、お通じを良くすること、というイメージが強いかもしれません。私も、もともとはそう思っていました。
でも、腸について調べていくうちに、印象が少し変わりました。ストレスのことも、肌の悩みも、腸と深く関わっていることを知ったのです。腸活は、お通じのためだけのものではありません。自分の健康を支えるための習慣です。
このページでは、なぜ腸活をするのか、私が知ったことをできるだけ丁寧にお伝えします。少し長くなりますが、読み終えたときに「だから腸活なんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。
腸の中には、たくさんの菌がすんでいます
私たちの腸、とくに大腸には、数えきれないほどの菌がすんでいます。善玉菌、悪玉菌、どちらにも傾かない菌。それぞれが集まって、バランスを保ちながら暮らしています。この菌たちの集まりと、そのバランスの状態が、いわゆる「腸内環境」です。
大切なのは、腸内の菌が、私たちの食べたものに影響を受けるということです。何を食べるかによって、菌のバランスは少しずつ変わっていきます。
そして今は、食生活がとても多様になりました。便利で美味しいものが増えた一方で、腸内環境は乱れやすい時代でもあります。
鍵になるのは、食物繊維と短鎖脂肪酸
腸内環境を考えるうえで、欠かせないのが食物繊維です。食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」があります。どちらも大切ですが、役割は違います。
不溶性食物繊維 ── 水分を含んでふくらみ、腸を刺激して、お通じのリズムを支えます。
水溶性食物繊維 ── ゆっくり腸の奥まで届き、腸内の菌のエサになります。
ここで登場するのが「短鎖脂肪酸」です。腸内の菌が水溶性食物繊維などを食べる過程で、酢酸、酪酸、プロピオン酸といった短鎖脂肪酸がつくられます。短鎖脂肪酸は、大腸の細胞のエネルギー源になったり、腸の環境を整えたりする物質として知られています。最近は、免疫のはたらきとの関わりについても研究が進んでいます。
水溶性食物繊維は、菌を通して短鎖脂肪酸をつくり出す、腸活の大切な材料です。
でも、食物繊維は足りていません
では、私たちはどれくらい食物繊維をとれているのでしょうか。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の1日の目標量は、成人男性で21g以上、成人女性で18g以上とされています。一方で、実際の摂取量は、成人の中央値で13g台。多くの人が、目標に届いていないのが現状です。
さらに、国際的には、1日25g以上が望ましいとする考え方もあります。目標量との間には、まだ差があるのです。
「野菜をたくさん食べているから大丈夫」とは限りません
「野菜はしっかり食べているから」と思う方は多いと思います。私もそうでした。
けれど、野菜は水分が多く、食べる量のわりに食物繊維はそれほど多くありません。サラダを一皿食べても、目標量にはなかなか届かないのです。野菜を食べること自体はとても大切ですが、それだけで食物繊維を満たそうとすると、思った以上に大変です。
とくに水溶性食物繊維は、意識しないと不足しやすい栄養素です。
たんぱく質も、バランスが大事
たんぱく質は、体をつくるために欠かせない栄養素です。しっかりとることは大切です。
ただ、たんぱく質に偏って食物繊維が少ない食事が続くと、腸内では悪玉菌が増えやすくなる場合があるといわれています。たんぱく質が悪いのではありません。食物繊維とセットで、バランスよくとることが大切なのです。
腸と脳は、つながっています
腸には、とてもたくさんの神経細胞が集まっています。そのため、腸は「第二の脳」と呼ばれることもあります。
腸と脳は、神経やホルモン、免疫を通して、たえず情報をやりとりしています。これを「腸脳相関」といいます。
緊張するとお腹が痛くなる。ストレスが続くとお腹の調子が崩れる。こうした経験は、多くの方にあると思います。これは、脳の状態が腸に伝わっているからです。
そして、その逆も研究されています。腸内環境が、気分やストレスへの反応と関わっている可能性が、いま世界中で調べられています。
よく「体内のセロトニンの大部分は腸でつくられる」といわれます。ただ、腸でつくられたセロトニンが、そのまま脳に届くわけではありません。腸と脳の関係は、もっと複雑で、まだわかっていないことも多い分野です。
それでも、「心と腸は影響し合っている」という考え方は、いまや広く知られるようになりました。ストレスの多い毎日だからこそ、腸を大切にすることには意味があると、私は考えています。
腸と肌も、つながっています
肌の悩みと腸の関係も、近年注目されています。「腸皮膚相関」と呼ばれる考え方です。
腸は、食べたものから栄養を吸収し、それが血液にのって全身に運ばれていきます。また、腸には体の免疫細胞の多くが集まっていて、腸内環境が全身の免疫のバランスと関わっていると考えられています。肌も、その影響を受ける場所のひとつです。
腸内環境と肌の状態との関わりについては、研究が続けられている段階です。「これを食べれば肌がきれいになる」と言えるほど、単純ではありません。それでも、肌のことを考えるなら、肌に何をつけるかだけでなく、体の内側、つまり腸のことも見直してみる価値がある、と私は思っています。
腸のバリア機能という考え方
腸の内側は、粘膜で守られています。この粘膜には、体に必要なものを取り込み、不要なものが入り込まないようにする、バリアの役割があります。
「リーキーガット(腸管壁浸漏)」とは、このバリア機能が乱れて、本来入らないものが体内に入りやすくなる状態を指します
腸のバリアを保つには、日々の食事や生活習慣が関わっている。そして、そのバリアを支える環境づくりに、短鎖脂肪酸や食物繊維が関わっていることが、研究されています。
腸にいいもの、腸を乱すもの
腸が喜ぶもの
- 水溶性・不溶性、両方の食物繊維(豆類、海藻、きのこ、雑穀、いも類、野菜、果物など)
- 菌のエサになるオリゴ糖
- 発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルトなど)
腸を乱しやすいもの
- 食物繊維が少なく、偏った食事
- 食べ過ぎ、飲み過ぎ
- 睡眠不足、強いストレス
- 運動不足、不規則な生活リズム
全部やる必要はありませんが、どれか一つでもやってみて下さいね。
対策は、食事がいちばんしやすい
腸のために、私がいちばん大切だと思っているのは「食事」です。
特別な方法や、新しく何かを始めることは、続けるのが大変です。でも、食事は、毎日必ず食べるものです。だから、いつもの食事に少し足すだけで、無理なく続けられる。これが、食事から腸を考えることのいちばんの強みだと思っています。
私が、菊芋・ケストース・雑穀米を扱う理由
水溶性食物繊維が足りていない。そして、食事に足しやすい。この2つが、私がこの3つを選んだ理由です。
菊芋 ── 水溶性食物繊維の一種、イヌリンを含む食材です。いつもの食事に加えやすい素材のひとつです。
ケストース ── オリゴ糖の一種で、善玉菌のエサになる素材です。少量から取り入れやすいのも特長です。
雑穀米 ── いつものご飯に混ぜるだけで、食物繊維を足しやすくなります。毎日食べるご飯だからこそ、無理なく続けられます。
まとめ
腸活は、お通じのためだけのものではありません。
ストレスのこと、肌のこと、そして毎日を元気に過ごすこと。そのすべての土台に、腸内環境があります。
そして、その腸内環境を整えるいちばんの近道は、毎日の食事です。
まずは、いつものご飯から腸活を始めてみて下さいね。